大阪商業大学商業史博物館のバーチャル書庫閲覧室です。

博覧会絵はがき資料


概要

"博覧会絵はがき資料について
明治33年(1900)の郵便法公布により私製はがきの作成と使用が認められ、逓信省により発行された「日露戦役紀念絵葉書」を契機に絵はがきブームが巻き起こった。当時の絵はがきは単なる記念品やお土産ではなく、情報を世間にいち早く伝えるマスメディアとしての機能を有していた。
本館所蔵の「博覧会絵はがき資料」は、明治から昭和にかけて全国各地で開催された博覧会において発行されたものであり、当時の博覧会の様子を知る上で貴重な歴史資料である。絵はがきには会場風景や俯瞰図、パビリオンや門といった博覧会施設、珍しい展示品などが写真やイラストとして描写されている。複数枚をセットにして、専用の袋に入れられているものが多い。一色印刷または原色版(凸版)印刷であり、モノクローム写真に手彩色を施した絵はがきは、被写体が同じであっても絵はがきごとに配色が異なる場合がある。絵はがきに押されている日付入りのスタンプ(特殊通信日付印)は、博覧会を記念して調製されたものである。会場内に設置された特設郵便局でのみ押捺され、これらの記念スタンプも蒐集の対象であった。

高橋千晶・前川志織『博覧会絵はがきとその時代』青弓社、2016年
橋爪信也・中谷作次『目で見る 日本の博覧会』日本図書センター、2013年"