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大阪商業大学商業史博物館メールマガジン 第139号

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□ 大阪商業大学商業史博物館メールマガジン
■-■      Pull-Top
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■-■-■-■ ─ 第139号 ─
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2018/ 3/26 ━

 ‘Pull-Top’はご存知のとおり、缶コーヒーなどの開け口つまみ付きの
ふたを意味します。ここでは、利用者のみなさんのアイデアのふたを開け
るつまみ口となるような、エピソードや随想を掲載していきたいという想
いが込められています。
 さあ、アイデアの缶詰のふたを開けましょう。

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★インフルエンザ

 今年、1月も末になったある日、職場で仕事をしているとき風邪っぽい
なという自覚があった。気分が優れず頭がボゥーッとしている。そんなに
咳やクシャミが出るわけでもないが、何か調子が出ない。身体がギスギス
して少し頭痛もある。何はともあれ医者に診てもらおうと、思い切って許
可をもらって少し早めに職場を出た。
 私はここ何年もとんと風邪などひいたことがなくまさかとは思っていた
が、医者に行くとすぐに、診察までの待ち時間に体温を計っておくように
言われた。体温計を脇に挟んで暫くしても音が鳴らない。受付の方が業を
煮やして「池田さん」と手を出された。体温計の小窓に39.4の数字が見え
た途端、マスクを手渡された。そんなに高熱が出ているとは考えてもいな
かったので、私も信じられないような面持ちで、慌てて渡されたマスクを
付けた。
 診察室で、先に綿のついた細長い弾力性のある針金のようなものを鼻の
奥深く挿入され、結果を待っていると、名前が呼ばれた。先生に促され検
査器具の小窓を見ると、Aという文字が見え、「A型です」と引導を渡さ
れた。その瞬間、私の中には実刑判決を受けた受刑者のような後ろめたい
気分が影をおろし、「監禁ですね」と呟いていた。先生はそれを苦笑いで
誤魔化して、「イナビルを吸入してもらいますから隣の部屋へ行ってくだ
さい、治療はこれで全てです」と言われた。廊下伝いに隣の部屋へ移ると、
看護婦さんから突起のある白いプラスチック製のものを渡され、「吸入口
をくわえてしっかりと粉を吸い込んで、いったん息を止めてから、そのあ
とでゴックンしてください」と指示された。これを4回ほど繰り返し、治
療は終了した。
 病院を出て宵闇の中で、気分も急に病人体になった。家に帰ってあれこ
れ頼むのも気が引けるので、ベッドに持ち込むためにコンビニで飲料水の
ペットボトルを数本とパンを買って家に戻り、インフルエンザに罹患した
したことだけ家人に告げて、すぐにベッドに引きこもった。
 最初の2日間は病院でもらった解熱剤を服用し、ある程度熱も下がると、
ベッドの上で通勤用に持ち歩いている小説を読んだ。読んでは眠り、体温
を計り、という繰り返しに疲れて、3日目にこっそり自分用のテレビを寝
室に持ち込んだ。アンテナの接続部品がなく、録画番組やDVDを見る方
法にかえたが、受刑者的生活の慰みが増えた。枕元には携帯電話を常備し
て、夢枕に浮かんだ気がかりごとは職場に携帯で連絡をとり、快適な監禁
生活を営んでいた。家人にはできるだけ迷惑がかからぬように、トイレも
鉢合せを避けるようにして使い、通気がいいように窓も少し開けた状態に
しておいた。
 毎朝の楽しみは、新聞を郵便受けに取りに行って読むことだ。家人は私
以外にほぼ新聞を読まないので、安心して読める。体温が落ち着いた4日
目ぐらいになると、歯磨きや髭剃りや洗髪をしたくなり、一人の時を見計
らって済まし、どうにか1週間を乗り切った。よきにつけ悪しきにつけ空
白の1週間であったが、なんとかスムーズに社会復帰をはたすことができ
た。

 本当にひさしぶりのメルマガで申し訳ありません。今後とも商業史博物
館メールマガジンをどうぞよろしくお願いいたします。
                          (池田 治司)

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≪今後の事業予定≫

●平成30年度春季企画展
 「石に刻まれた文化財―山頭火・若江城・アンコール・ワット」

【会期】平成30年6月4日(月)~6月23日(土)
【場所】大阪商業大学商業史博物館2階企画展示室
【主催】中河内拓本クラブ、大阪商業大学商業史博物館

 拓本は古代中国で発明された複写法の一種です。風雨ですり減った石碑
や石像などは、この拓本の技法を使って写し取ることによって、肉眼でみ
るよりはるかに鮮明な姿を浮かび上がらせることができます。
 1984年から34年間にわたり地元東大阪で活動を続けている中河内
拓本クラブのメンバーが採取した、石碑をはじめとする約40点の珠玉の
拓本を集めて、大阪商業大学商業史博物館春季企画展としてみなさまにご
覧いただく予定です。
 文化財としての意味合いもさることながら、写し取られた墨蹟から漂う
旅情に思いをはせるのも一興でしょう。会期中には企画展にちなんだ連続
講座も開催の予定です。この展示会を通して、拓本を知るきっかけにして
いただければ幸甚です。乞うご期待!


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TEL 06-6785-6139
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