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満津里俄 初編


概要

俄(にわか)

      俄狂言の略で、大阪では素人が祭りの日などに、複数人あるいは一人で扮装をして座敷や街頭で行った滑稽寸劇。
享保年間頃に住吉祭の群衆の中で、酒樽を竹馬の先に着けて酔狂に演じたのが、大阪での俄の嚆矢であると、『古今俄選』(安永四年刊行)にある。
天保年間には村上杜陵、一荷堂山水といった名作者が輩出し、また、寺社の境内などでは、プロの俄興行が行われるようになった。明治期に、大阪俄は大衆演芸として全盛期を迎えるが、大正に入ると、喜劇や漫才にとって代わられ、衰退した。ここに掲載した『満津里俄貳編』は、大阪心斎橋の冨士屋政七板で、初編もある。